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僕たちは、小汚い黄土色の家で、ぎゅうぎゅうに押し詰められて過ごしている。
僕はそんな日々に嫌気が差し、自分の未来に喜びを感じられないまま、もがき苦しんでいく者たちを少し離れたところから見ていた。
常夏の輝きを持った男性と上品に心優しく育った女性とが想いを添い遂げたあとに、儚く散っていく姿を思い出すと、心が痛んだ。
けれど、別の女性のように運命の出会いを経て、自分の生き方に堂々と自信をもっていく者もいる。
ここに集まった者たちは皆、あのような運命から逃れられないのだろうか……。
けれど、今から始まる未来さえもすべて受け入れて、ここにいるのかもしれない。
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