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ヒノキ
ヒノキの香りがする場所から
登場した黒いトカゲが
眠り砂を撒いたのを視認し
逃げた山賊を諦めた
そんな物語を
教科書の島原の乱の場所に
挟まれた紙に見つけて
昔の自分に嫉妬する
多分 生きる時代を間違えた
職を無くした魔法使いに
固茹で玉子をもらって
ステーキと饅頭を一緒に食べる話を聞く
全てが懐かしいという意味で
時代は関係ないと諭されたから
愉快ではすまされなかったんだ
だから不安が病気を連れてくる事も
気にはならなかったのだろう
そのままシャーベット製の世界は
魔法の中に溶けていく
そして他人の不幸の味を教わり
人生の途中なのに
コミュニケーションを放棄した
それでも笑顔は魅力的
中性的な髪型にチェンジ
記憶にないストーリーに
身体をダイブさせる事も
何て事はないと思えると
先導するシンドバッドが
私の前に現れ道標を置く
銀色の水煙と風が途切れ
蜥蜴はオブジェになった
もう魔法の必要性はない
だから退屈なんだろう
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