2人が本棚に入れています
本棚に追加
ローズマリー
ローズマリーの香りと
夜の始まりが一緒に訪れて
爪先の丸い靴が動き始めた
不思議な重圧は空気の重さ
そんな事に思い当たりつつ
時計の数字が揃う時間まで
何をしようかと考えていた
だって今日は月食が起こる日
カップラーメンの空き容器に
感覚が侵食される気分になり
自分の独りにツケが回ってきた
X脚に悩む話し相手は架空の存在
そんな雰囲気に一つずつ
名前を付ける幸福に酔い
我が身の色を誤魔化した
「隣の芝生は青いけど
私に隣はいないんだ」
小さく呟いて空中にモラルと書く
自分の自分勝手に嫌気が差した
心の過半数を占める気分が
我慢と辛抱を天秤にかけて
今の時間を確認させる
腹に詰め込まれた麺が膨らみ
煌めく照明が痛みを訴える
気持ちとは裏腹に周囲は赤道直下
そのまま伸ばした左手の薬指に
月の指輪を飾ってみる
また一つ 新しい後悔が生まれた
最初のコメントを投稿しよう!