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シナモン
シナモンの香りがする扉に
そっと手をかけたとき
時代に祭り上げられた友人からの
メールの着信の音がした
太陽が沈まない国と
太陽が昇らない土地を行き来する
そんな生き方を選んだ友は
多くのエピソードを持つ
無口で偏屈な人
インターネットの
ロクでもない喋りを聞き流し
窮屈な空間に転がると
無い物ねだりすらしない
空っぽの世界に
出来損ないが顔を出した
その場かぎりの事ばかり
発想のタンクがemptyを指す
凍てついた気持ちが
三つの願いを無為に消費し
訪れてきた幸運の女神を追い返した
太陽も月も沈む国の底に
左の方の足だけ着けて
降りてきた天使に服を着せる
疲れきった身体が
退屈な毎日を望み
刺激的な誘いを避ける
ルーティンとなったハプニングに
楽しさを封印したら
シャーク深町の口癖を真似た
｢ ﾄﾗﾌﾞﾙ ｲｽﾞ ﾏｲ ﾋﾞｼﾞﾆｽ ｣
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