2人が本棚に入れています
本棚に追加
ヒヤシンス
ヒヤシンスの香りが漂う空間に
安い油で揚げた鶏肉が運ばれて
忘れていた歌が口から飛び出す
クリスマスに交わした約束すら
悪夢のプロセスに組み込まれて
幼なじみの顔が脳裏に浮かんだ
ニュースで見かけた同姓同名は
赤の他人であって欲しいと願う
ネガティブな思考が拭えない
次々と消費される事件の数々に
風化される自分の大事件ですら
短い言葉でまとめられて薄まる
その向こうを読み取れない頭が
時間すらコントロールしようと
見つけられない星を手で遮った
ここはもう廃墟になるのだろう
無邪気な年代が想像で作られた
黒い色した予感に取りつかれて
悪い現実が続くと思い込んでた
静かな慌ただしさに巻き込まれ
古くなった全てと共に残ってた
いつか見た映画のワンシーンと
今の自分のイメージが重なった
その引き金はヒヤシンスの香り
最初のコメントを投稿しよう!