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ペパーミント
ペパーミントの香りがする菓子の
包装を開いた瞬間
冴えた世界が曖昧模糊になり
自分の声が他人に聞こえた
会議と書かれた予定の上を
通り雨がよぎっていく
予定は夢のままだけど
夢は夢でなくなった
そんな空間にこの身を溶かし
飛行機の爆音に意識を戻す
マゼランに思いを寄せなくなって久しい
自分と周囲の距離を縮め
空想する事を放棄する
ガムとソフトキャンディを並べ
調子の出ない感性で
他人の日記をタップした
古い絵柄のケータイをポチったのは
ゴジラの広告が現れたから
そしてカサついた肌に
白い爪を重ねて
読みかけの本を開く
明日 髪型を変えようって
毎日言い続けていた
だから自分に言い聞かせる言葉はない
そのまま悔いることのない恥をかきに出発
世界は私を排除するために
私がやって来るのを待っている
透き通った風が抜け
また少し体重が増加
季節外れの度合いも増していた
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