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「・・・?」
あれ?フルダイブでゲームを始めたのはいいが。いつキャラクタースキンの設定とかやるんだ?
まさか、スキンはランダム生成とか?それは嫌だな。
「・・・???」
しかし。フルダイブをしてから、首を傾げてばかりだ。
今の自分の格好が部屋着なことや。オンラインゲームなのにも関わらず、周りに人がいないこと。
そして、未だに始まらないチュートリアルに頭を悩ませる。
「もしかして、回線が混線してラグってる?」
だとしたら、この現状にも納得
「いや、今の格好が部屋着なのも混線が原因なのか!?」
できるわけがない。とりあえず、公式HPに不具合とかが更新されていないかを確認したほうがいいか。
えーと、ログアウトボタンは・・・?
どこだ?いや、きっとメニューの中にあるんだろうが。そのメニューはどうやって開くんだ!?
「あっ、よーく見たら右上にメニューらしき3本線が」
よかったぁ。一瞬だが、ログアウトできないんじゃないかと焦ったぞ。
よし、ログアウトボタンはどこかなー?
「おっ、あったあった。まったく、焦らせやがって。・・・?」
なんだ?何かに見られている?
気配のする方角を目を凝らして見てみると、何やら赤茶色のトカゲのような生き物が、20Mほど離れた場所からこちらに機敏な動きで近づいてきていた。
「っ!なんだあいつ、きもちわる!?これって対人のFPSじゃないのか!?あんなゲテモノが出るなんて聞いてないぞ!」
武器!とりあえず武器を!どこにある!?インベントリか!?
・・・あった。これがチュートリアルならこの銃でもあいつを倒せるのか?
インベントリを開くと、そこには一丁のP226だけが入っていた。
ざっと全長3~4Mはあるトカゲに、この拳銃が通じることを祈り。P226をトカゲに向けると、十字のクロスヘアが表示された。
「よし。一発目は気持ち良くヘッドショットを決めるか」
クロスヘアとトカゲの頭部が重なった瞬間。引き金を引く。
パァンと、乾いた銃声が耳に刺さり。反射的に目を瞑ってしまった。
「う、おぉ。耳いってぇ。後で音量下げとくか。・・・!?」
先ほど、自分が射撃したトカゲの死体が目の前に倒れていた。
近くで見ると一層リアリティが増し、吐きそうになる。
「これ、本当にCERO:Cのゲームかよ。リアルすぎるだろ」
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