第一章・第一話。荒野を行く!前編

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第一章・第一話。荒野を行く!前編

さて、恐らくチュートリアルと思われるクエストは完了したし。 一度ログアウトをするか。大至急に、部屋着問題や、オンラインなのにボッチ問題に関する情報を集めなくてはいけない。 ログアウトを選択。「Dead or Alive」 「えっ。デットオアライブ!?なにその選択肢!?あれか?ゲームからログアウトする=キャラクターの死。みたいな意味なのか!?」 だとしたら、俺が選ぶのは「Dead」になるのだが。 ちょっと怖いので「Alive」を選択する。 「Alive.これからも俺は生きていくんだ!・・・あれ?なんかログアウトボタンが薄くなったような?」 気のせいとは言えないほどに、文字が薄くなってしまった。 嫌な予感がする。もう一度ログアウトボタンを押してみよう。 「?・・・!?おい!?なんで反応しないんだ!?」 何度もポチポチとボタンを押すが、なんの反応も示さない。 まさか、マジで不具合が起きちゃってるのか!? 「・・・まぁ、いっか。どうせ時間が経ったら強制ログアウトとかされるだろうし。それまでは、このオープンワールドをボッチで楽しむか!」 かれこれ30分近く歩き続けているが、一向にこの荒野MAPから出られない。 さっきから、VRのはずなのにやたらと喉が渇くし。足も痛くなってきた。 これ、リアルの体に悪影響とかないよな?ゲームやってたら脱水でお陀仏とか、嫌だぞ俺は!? 「あー。インベントリに水とか入ってないのかなー?・・・お!?」 水なんかあるわけないと思いながら。メニューの中を探っていたら、とんでもないお宝を発見した。 「自動車要請!?これ、もしかして乗り物を出したりできるのか!?」 なんと、メニューの一覧にある「要請」を開くと、車やバイクを要請できるシステムを見つけた。が、しかし。 「く、車もバイクも免許を持っていないんだが・・・。ゲームだしいいよね?乗っちゃおう!要請しちゃおう!」 誰でも超人になれる。それがゲームの世界だ。免許を持っていなくとも!バイクを乗りこなせる!それがゲーム!! 「うぉっ。・・・おかしいな。もう一回だ。・・・うぉっ」 ゲーム。しかしフルダイブ。運転技術はプレイヤーに依存する。つまり、俺はバイクも車も運転ができない。 「お、オフロードバイク。・・・いつか必ずっ!」 志郎は再び歩き始める。荒野の中心部へ向けて。
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