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時期は６月。
こんな中途半端な時にくるなんて何かしてきたんじゃないの？
そんな疑いの目を向けながら教室のドアを見つめていると、ガラっと音をたてて中に入って来た。
小綺麗な制服を着た女子だった。彼女を見て、ザワザワと教室がうるさくなる。
「やばい、可愛くね？」
「やべぇ、まじ天使来た！」
男子は目の色を変えて、教卓の横に立つ彼女を見ていた。
「中谷優里愛です、父の仕事の都合でこっちの学校に来ることになりました。仲良くしてくれると嬉しいです」
小さくて可愛らしい声を演じながら一生懸命話そうとしている彼女。
私は彼女を見て、すぐにウソくさい女だと思った。
どうすれば自分がよく映るか知っているタイプだ。
「超可愛いくない？学年1可愛い子の登場かもよ」
「すげぇ可愛いなあ、優里愛ちゃん」
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