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『おばあちゃんありがとう。ここまで来てくれて』
おばあちゃんはバス停まで迎えに来てくれた。
わざわざ歩かせてしまって申し訳ないな。
そう思いながらもおばあちゃんと一緒に手を繋いで歩いている時間が楽しかった。
しかし。
おばあちゃんと一緒にいる時もまたあの男はやって来た。
『ねぇ、キミ……キミのことが本気で好きなんだ。本気だよ!どうして僕の気持ちが伝わらないの?』
私を見つけては、追いかけて来て話しかける。
すると、それを見かねたおばあちゃんは男に声をかけると、その男を少し遠くに連れて行った。
『そこで待ってなさいね』
不安になりながらも、待っているとおばあちゃんは数分で帰って来て、もう大丈夫だからと笑顔で言った。
優しいおばあちゃんが男になんて言ったのかは分からない。
だけど、たぶん説得してくれたんだと思う。
男はすでに背中を向けて帰っていた。
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