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しばらくするとスマ子はハサミを止め、同時にその目からは鋭さが消える。
「ハイ! 出来たわよ。ちょっとアタシ好みにアレンジしちゃったけどどうかしらン?」
スマ子はそう言いながら私の髪を整えて鏡越しに私を見る。
鏡に写った自分を見ると……
「これは……」
あまり変わっていない! いやしかし……
「まるで私ではないみたいだ。鏡の中の私が……輝いている!」
「んふふ、ディス子ちゃんの魅力を引き出すためにちょっとアレンジさせてもらったのよ」
すごい……ほとんど変わっていないのに、圧倒的に魅力的に見えるぞ。一体どうい事だ? 宇宙人の見識で分析しても全く仕組みが分からない。
「お連れちゃん達にも見てもらいましょうね」
スマ子は手慣れた様子で道具を片付けると、私の身なりを整えてジュラルミン達が待つソファーへと誘導する。
ジュラルミンとみかんはまだ肩を狭くして青い顔をしていた。
「ジュラルミン、みかん! ほら見ろ。なんか格好良くなったぞ!」
ジュラルミンとみかんは待ってましたとばかりに顔を上げた。しかし……
「あ! お姉さ……あ……?(ドクン)」
ジュラルミンの目が急に虚ろになる。まるで何かの催眠にでもかかったかのようだった。
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