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「ディス子さんの赤ちゃんは私が産む!(ギラン!)」
「はあぁぁぁ!?(驚愕)」
みかんも正気を失った目をしていた。
というかお前らさっきから言ってる事がおかしいぞ! 女同士で赤ちゃんができるか! というか私は産んだり産ませたりどういう扱いだ!
「みかんさん……まずはあなたから始末しなくてはなりませんわねぇ……」
ジュラルミンはぐるりと首を回転させて、顔だけみかんの方を向くとニタリと不気味に笑う。
「望む所。返り討ちにしてあげる」
二人が殺気立っていると私の後ろからパンパンと手を叩く音がした。
「は~い、お店の中で暴れないの! ホコリが立っちゃうでしょ?」
「いや、スマ子! それどころではないんだ。こいつらの様子がおかしい! なんとかして……助けてくれ!」
するとスマ子は落ち着き払った様子でクスリと笑う。
「ディス子ちゃんがあんまり魅力的なんで、二人ともちょ~っとテンション上がっちゃったのよね?」
「い……いや、そんなレベルでは……」
スマ子はジュラルミンとみかんの方に目をやるとニコリと優しく微笑む。
「二人ともディス子ちゃんの事、だーい好きだもんね? でもあんまりおいたすると……」
スマ子が息を吸い込み目を閉じると、辺りの空気がとたんに鋭さを増す。
「めっ!!」
それと同時に、その鋭い威圧感は殺気立ったジュラルミンとみかんに放たれ、容易く気圧してしまう。
「あぇ……!」
「ほぇ……!」
二人はさっきまでがまるで嘘のように大人しくなり、そのまま糸の切れた人形のようにへたりと床に座り込んでしまった。
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