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帰りのバスの中。
途中でみかんを拾って4人一緒だ。
「みかん、知ってるか? デパートの売り場にソフトクリームという氷菓子があってだな、それがまた美味しいのだ!」
「え? あ、うん。知ってる。美味しいよね、ソフトクリーム。私も好き」
みかんも知ってるのか! 施設の偵察はあまりできなかったし、再偵察のついでにまたみんなで食べに来たいものだ。
「またみんなで食べに来ような」
「うん、ねのも一緒に連れていく。みんなで食べたら、きっと美味しい」
「みかんちゃんとお出かけ楽しそう。私ももちろん行くよー!」
うんうん、これは楽しみがひとつ増えた。
「あの……わたくしは……」
ん? 誰か何か言ったか? まあいい、みかんめー、うりうり。かわいいなこいつはー。
「あの……わたくしは……連れていってくれないんですの?」
キャッキャ! ウフフ! (ディス子、ねの、みかん)
わいわい! がやがや! (ディス子、ねの、みかん)
「……」(ジュラルミン)
「そういえば、お姉さま。図鑑はどうされたんですの?」
さっきからうるさいな、ジュラルミンは。楽しくしているのに空気を読め!
「いや、お買い求めされていた図鑑はお持ちですの?」
「え……? ずかん……?」
なんだっけ? ずかん……図鑑……動物……あっ!
「すわァァァー!!(大声)」
ビクッ!!(ジュラルミン、ねの、みかん)
「あ、は、す……忘れた! ソフトクリームを食べた所に! 忘れた!」
ヤバい! バスはもう家に向かっている。どうにかして取りに戻らねば!
「運転手! すまんが引き返してもらえないか! 礼ははずむ!」
「運行の妨げになるので、お静かにお願いします」
運転手は無情に、冷やかに言い放つ。
「あ~あ、お諦めくださいましな。お姉さま。というか、礼ははずむって……こういう乗り物はチップなどは受け取らないルールですわ」
なんてことだ。少しくらい融通してくれても……
「では、ジュラルミン。私はテレポートで図鑑を救出に行ってくる。なあに、すぐに追い付くさ」
「お姉さま!? 街中で何を仕出かす気ですの! 止めてくださいまし! 誰かに見られたら……お姉さま!」
「止めるな! ジュラルミン! 私は……」
「バスの中ではお静かに!!(怒)」
運転手に怒られた。
「はい……すみません……」
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