4人が本棚に入れています
本棚に追加
コインランドリーに着くと夜も遅いというのに煌々と明かりが点っている。
「深夜だというのに営業とは熱心だな」
自動ドアをくぐって中に入るとたくさんの大きな洗濯機と、待ち合い用だろうか、ベンチやイスが置かれている。
「遅くにすまない。洗濯物をお願いしたいのだが……」
ん? 誰もいない? そうか、地球人は光の有無で休息を取ると聞いたな。
恐らく家主も休息中なのだろう。
貼り紙をみると自由に使ってかまわないとある。
使い方も載っていた。
「なるほど……家のものと同じようにこの扉の中に洗濯物を入れて……扉を閉めたらここに500円を……」
500円? ああ、あの一番大きい硬貨か。
「あったあった。これだ。これをここに入れて……」
コンビニで飲み物をもらった時もそうだったが、どうも金銭感覚が分からない。
500円とはいくらだ?
一番大きい硬貨だから価値があるのか?
「そういえば少し喉が渇いた。そこの自動販売機で何かもらおうか」
見ると、この間の『ポカルスウェット』をはじめ、たくさんの飲料が並んでいる。使い方はお金を入れてボタンを押すだけ。洗濯機より簡単だ。
「ほうほう……『あったか~い』『つめた~い』……よくわからんな。この間のポカルスウェットは青い飲料だったから今度はこの赤いのにしよう。なになに……コーラ?」
ガコン!
キンキンに冷えたコーラという赤い飲料が出てきた。こんなに冷えているとは気が利くな。
そういえば、ジュラルミンはこのペットボトルを開封する際によく振っていた。
ああするとよいのか?
どういう仕掛けか知らないがとりあえず振ってみよう。おいしくなるかもしれない。
シャバシャバ……シャバシャバ……
「おお! 容器がかたくなった! なんだこれは、面白いな!」
ここまでパンパンになればもういいだろう。
そして開封。
ふふふ。このふたをひねるのだな。知っているぞ! このディス子、ペットボトルはすでに攻略済みだ!
コーラよ、いざ行かん!
パキッ!
ん? なんだか手応えが……
パシュゥゥゥゥーーー!!
「ぎゃあぁぁぁぁーーー!」
あああああああああーー! なんだ! 何が起きた! コーラが襲ってきた!? しかもなんかシュワシュワする!
「うわっ! 目に入った! なんかむせ……ゲホッ! ゲーホ!」
罠か……! そうか、青いのは安全で赤いのは危険と……色で識別するのだな!
最初のコメントを投稿しよう!