14章 王位継承権

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・ 「………サルジュ王子では──欲が強すぎる…」 「………」 「国を思えばこそでも強すぎる欲では崩壊を招いてしまう──…そしてサルジュ王子の周りには善からぬことを企む者が多すぎる……それぞれが己の欲にかられた者達──…サルジュ王子は政事にあまり詳しくはない、仕組みを知らなければ悪意ある者に言いように使われてしまう──」 「………」 「それでは民が泣くはめになってしまう……」 「……ハダバを襲撃した野盗の親玉を追けた」 「………」 無言だったザイードは急に口を開く。 「……その者が宿で密会している相手をラフィークに偵察させた──…」 「………」 「その首謀者の名前をラフィークに聞かされた時に俺は少しばかりショックを受けた」 「………」 「サルジュの脇にいつも付き添うカティーヤの右腕だ」 「キヤーナで御座いましたか……」 「………」 ザイードは横になったまま顔を頷かせた。
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