14章 王位継承権

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・ 高い位置にそびえ、平地を見下ろす古城── 下から見上げれば月と同じ高さにあるようにも見える。 そのてっぺんを望むはなに故に── 国の平和 民の幸せ── 上を望むのは…… どちらも欠かすことは出来ないからだ── ◇◇◇ 「ん……」 ゆっくりと横に休めた躰が波を打った。 立て続けに大きく揺れて隣に気配を感じる── 愛美は閉じていた瞼をおもむろに開いていた。 「──……」 驚いて愛美は目を見開く。 「あ、すまない。起こしたか──」 愛美が眠るベットに潜り、アサドは普通にそう返していた。 「な、なんでここにっ…」 横たわっていた半身を起こして愛美はシーツを被ろうとするアサドに頭上から問い掛ける。 アサドはそんな愛美を見上げた。 「なぜかって? 知りたいか?」 目を見開いたままの愛美を下から見上げ、アサドは長い枕の端に頭をあずけながら笑って指を一本立てた。 「一つ──…これは俺のベットだから」 「───」 「二つ──…ベットは寝る為に使う物だから」 「………」 「三つ──…自分のベットに寝るのは当たり前だから」 「……っ…」 「答えはどれだと思う?」 突然三択で問われ、愛美は思わず唾を飲み込む。 「どれだ?」 「こ、…これ…?…かな」 愛美は三本指を立てて答えていた。 「お、似た答えの中からよく正解を当てたな」 アサドは何気に誉めて笑顔を向けると頭を撫でた。 「……てことだ…」 そう言ってしっかり寝る体制に入ったアサドに愛美は焦っていた。
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