かき揚げ丼 フロンティア

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――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――  さらに翌日。  ノーチアサンさんは、灰色の雲から出て地上へ向かった。  灰色の雲は成層圏エーロゾル。  火山の噴火によって放たれた二酸化流黄ガスが硫酸水滴になった。つまり酸性雨の雲だ。  この火山噴火自体、宇宙人の攻撃によるものだそうだ。  僕は今、船の一番高いところ、艦橋にいる。  数人の士官・・・・・ぽい生徒と共に、いかにも司令部、CIC(コンバット・インフォメーション・センター)な部屋にいる。  そこで席をあてがわれている。  サフラさんもいっしょだ。 「南さん、調書を描いていただいた時点で、あなたのお仕事は終わりです。  これからの作戦をご覧になって、途中で帰ってしまわれても、それは喜ぶべきことです。  これまでありがとうございました」  僕も、頭を下げた。 「そうですか。こちらこそ、ありがとうございました」  今僕が着ているのは、全身を覆う黒いプロテクター。  しかも、機械で体力をサポートしている。  本物のパワードスーツだ!  それとヘルメットと、腰のポーチに入ったガスマスク。  これらも生徒会の手作りらしい。  CICには多数のモニター。元いた地球では見たことのない、立体映像まである。  地上の様子は、そこに映されていた。    雲を突き抜けると、格子状に並んだ大通りが見えた。  大通りを挟んで近代的なビルが並んでいる。  元は整然とした大都市だったのだろう。  それが今は、崩れたり、焼け焦げたりしている。  そのど真ん中に、ノーチアサンさんは降下している。  木を隠すなら森の中。人を隠すなら人の中。  自動で書き上がったような調書を読んだ時、僕が思い出せたのはその一言だった。
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