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カメラで、テロリスト達の顔がいくつも写しだされる。
その顔は、いかにも悔しそうだ。
彼らは赤い影にさらわれて、次々に見えなくなった。
アイドルの備品、真脇 達美。
彼女は今、背中から金属の羽とジェットエンジンを展開して飛び回っているはずだ。
配置表では、名前と大まかな行動エリアしか表示できないスピードで。
この映像はすぐ消えた。
だが、見るべき映像はまだある。
周辺の地図には、展開するチェ連軍がミドリのマークとなって描かれる。
え~と。どれが戦車で、どれが歩兵だっけ?
ターゲットのビルから、次々に自動車が走りだした。
「これは、テレパシーで操ったテロリストですね」
横を走られたチェ連兵士も、何もしない。
これでテロリストは逃げる足を失った。
モニターには空中で多数のドローンが撮影した物もある。
一番驚いたのは、ターゲットのビルの中身が最上階から次々に明らかになり、3DのCGとして再現されていく事だ!
『これか? これは高速移動ができる能力者に、レーザーで3次元データを集めるセンサーを持たせているのだ』
ノーチアサンさんが教えてくれた。
地図のマークが複雑に動きだす。
ビルの塀を、戦車が体当たりで壊す。
そのままゆっくりビルへ向かい、後を追う歩兵の盾となる。
自衛隊の10式や90式に比べると小さく、丸っこい。
米ソ冷戦時代の、旧世代の戦車に似ていた。
歩兵が持つ銃は、黒い鉄と木でできた自動小銃だ。
そして同じことが、ほかの塀でも起こっている。
彼らの頭上では、空を飛べる異能力者達が窓を破って突入する。
レミュールさんもそこにいた。
制服を着た、まさに高校生!
みたいな人もいれば、ヤギに翼を付け、毛並みを緑にして二本足で立たせたような、怪人もいる。
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