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翌日。
僕に、取材を兼ねた仕事が割り振られた。
それは、取り調べる容疑者の調書を描くこと。
取り調べるのはサフラさんだ。
この船には、彼女のように生徒会をサポートする士官候補生がたくさんいた。
僕は、船内の留置場に通された。
地上の警察署には警官も少なく、いても経験のない人ばかり。
まともに機能していないらしい。
テロ組織の名は『気高き敗者奴隷バンザイ団』
何となく吹き出してしまった名前だが、彼らの過去は凄惨その物さ。
彼らは、チェ連は宇宙に負けた国家で、無価値だと自分たちを納得させていた。
それを理由に、より命を活躍させるため、と称して自国民を異星人マフィアへ売っていた。
異星人マフィアが渡した怪獣を武器にする。
調書を書き始めていきなり、僕の能力のすごい効果が明らかになった。
容疑者がこれから話すことを、まだ話していないのに書いてしまえるのだ。
生徒会の中には予知能力者もいるが、それとは違う。
彼が見えるのは、もっと大きな変化らしい。
例えば、テロリストが爆弾を持っていた場合、数日後に爆発する様子が見える。
それに対し僕は、テロリストがどこで爆弾を製造し保管しているか、その調書をかける。
テレパシーで記憶をのぞける能力者もいる。
それでもあやふやな点があるらしい。
相手の正しい記憶なのか、暗示などによる思い込みなのか、はっきりしないからだ。
僕の場合、この調書として残るのも大きな利点だった。
できた調書をほかの容疑者に見せたら、もう観念したのか次々に証言が集まった。
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