性欲か生欲か

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「……しばらく、お別れだ」  また、会える?  嫌だ、別れたくない、と泣き喚きたいけど、今、私が望むのはそんな別れじゃない。  また、会いたいの、あなたに。 「会えるとも。待っているから」  本当に?  ふわり、左手から熱が消える。  視界が淡く、白く、明るくなっていく。 「……いつまでも」  本当に、待っていてくれる? ずっと先のことになるかもしれないけど、待っていてくれる?  庭が消え、視野が真っ白になる。  彼はもう、応えてはくれない。  また、会いたい。  あなたに会いたい。  そして、そのときに、笑顔で報告してあげる。  私は――これだけの男たちに愛され、幸せにしてもらったの、と。だから、寂しくなんてなかったのよ、と。  そしたら、あなたも笑ってね。  困ったような笑顔で、私を抱きしめて。  今度は離さないと誓ってよ。  ね、私が愛した男の、『一人』――叡心先生。
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