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おかしな夢というのは、どこか荒廃した町で銀髪の青年が目の前にいる夢だ。
彼の右目には縦の傷跡がついており、瞳は光を失っている。左目の瞳は赤くこちらを睨み付けている。その瞳は怒っているような、悲しんでいるような、不思議な瞳。しかし、少なくともこちらを良く思ってはいない。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
体には激痛が走っている。腕や足だけでなく、彼を見る目や口、頭や体の内側・・・臓器までにも、激しい痛みが駆け巡る。そして頭に響く声。
『殺せ・・・殺せ・・・殺せぇ!』
誰かが、俺に呼び掛ける。決して、それは心地の良いものではなく、吐き気や頭痛を促す。
『その神を殺せぇ!』
繋ぎ止めていた理性は、電池がなくなった携帯のようにプッツンと切れて、俺は彼に襲いかかる。
彼はこちらが動くのを見ると同時に、手元に剣を出現させて向かってくる。
その剣はこの世のものとは思えないほど、美しく出来ていた。自分の語彙力の無さがよく分かる。
すると、突然目の前が真っ暗になり目が覚める。これが最近俺が見ている夢だ。すでに三回は見た。
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