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「ズキューン!これが……恋……!?」
「変よ」
「酷いよお姉ちゃん!私はお姉ちゃんをこんなに好きなのに!」
「はいはい、それはもういいから。早く行くわよ……」
「全力ダッシュだにゃーっ!!」
ホースくんのさりげない気遣いのおかげで、一同は慌てて教室へと走り始めるのであった。
──ギリギリで到着後。
「……うん?」
去年と場所は変わらない通い慣れた教室、しかし学年だけは違う3ーZに足を踏み入れたその時、ネアルは妙な空気になっていることに気が付いた。
まるで群れの中に違う種が混ざっているかのような、ふわふわとして落ち着かない感じ。
その違和感の正体は、クラスメイトの視線などから割とすぐ見付けられた。
「……あれ?師匠?」
ネアルがそう呼んだのは、去年3ーZの先輩だった、三馬鹿がとてもお世話になった少女、新井マユであった。
ウェーブした黒髪のセミロングに、ダックスフンド種の垂れた犬耳が付いてツーサイドアップとなった髪型、桜の花びらのような黄土色の麻呂眉、ひょろっとした尻尾など、見たまんまの犬の獣人である。
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