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ひとしきり怒鳴られたマユは、しかしそれでも師匠と呼ばれる立場にあるからか、虚勢を張って無駄に演技をし始める。
「ふ、ふふふ……『馬鹿どもは留まることは知らない』が、『天才は留まることを知る』のさ……」
「……何言ってんだあんた。急にどうした」
「どこぞの天才キャラの没セリフかなんかじゃん?」
ベロスのフォローが入るも、ネアルの中でガタ落ちした師匠への信頼は、そう簡単には回復しないようで。
「もういい……もう二度とあんたを師匠とは呼ばん……」
「なっ、そこまでの仕打ちを受けるいわれはない!師匠であることに変わりはないでしょうが!前言撤回を要求する!」
その宣言はマユにもこたえたようで、半泣きで抗議するが、ネアルも甘やかすことなく冷徹に接する。
「うるさい、もう同じ学年なんだから敬わない。同じ立場なんだからな……だから、これからは名前で呼ばせて貰う」
「な、名前……!?」
「呼び捨てでマユだ。問題ないな、同輩」
「あれ……意外と嫌じゃないかも……」
親近感は増すので、それはそれで受け入れられちゃうマユなのであった。
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