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ああ、僕は、生きている!
それと同時に、バグのような齟齬が理性の端から滲み出した。
何で、僕は、生きてるんだ?
その二つは、相反する希望と絶望。
当たり前のようにそこにいるが、ふと這い寄る矛盾の問題。
『無理』解にして無『理解』。考えるだけ無駄のようで、どうしてもつきまとう命題。
そんな苦痛を抱え込むくらいなら、死んだ方が……いや、産まれなかった方がマシなのでは?
そう思った僕がもう一度とろけようとしたところ、それを阻むように一人の存在が現れた。
「それは、もったいないよ。せっかく生まれたんだ、もうちょい堪能しときなよ」
まだ上手く動かせない体を引っ張って声のした方を見れば、見知らぬ女が立っていた。
そいつのことなんかはどうでもいいが、言っていることに興味はある。僕は黙って話を聞いてみる。
「まぁ、それにしてはあんまりにも不明瞭だから、もう少しだけ型に当てはめさせてもらうけど……」
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