安寧の三日間、α

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「いやぁ猫くん、キミはそのままでいいのさ。バトル馬鹿、大いに結構。……だからまずは二人で兄弟をやっつけよう」 「あっ、てめぇ汚ぇぞ!頭足りねぇ奴を簡単に味方に引き入れやがって!」 「ふはははは、どんな手段を使ったとしても、最終的に……勝てばよかろうなのだぁッ!」 そこからはじゃれ合いのような応酬で、プロレス技なんかをかけながら彼らは桜並木の道を歩いていく。 ……一見、この世界では何の変哲もない三人組だが、実はこれまで数奇なる学校生活を送っていた、話題に事欠かない生徒であった。 それぞれの名は、犬の少年こと、山田ネアル。ロン毛ミニハットこと、佐藤ベロス。猫男こと、鈴木ニャガ。 くくりで『三馬鹿』と呼ばれる彼らは、魔法学校『セントレーニア国立士官学校』にて、今年の春めでたく三年生へと進級していた。 勉強が嫌いな彼らは、普通に勉強して単位を取り進級する方法ではなく、騙しの逃げ道である『超強い魔法使い』でもある担任の教師を倒すことで進級するというトンデモな手段で、これまでの学年を過ごしてきた。
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