茉莉

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「それにねえ。痩せた時の相沢君に優しい女の子よりも、私は太ってても愛してくれる子の方がずっといいと思うわぁ。例えば、ここにいるま――」 「じゃ、じゃあ! 串カツを一つ!」  多恵ママの言うことを聞きもせず、相沢は大喜びで揚げ物を注文した。どんだけ我慢していたんだよ、コイツ。 ため息をついたあたしは、注文された串カツを揚げる為に厨房に引っ込んだ。この食いつきっぷりだと、近い未来に起こることは易々と予想ができる。  夜の揚げ物って、ホントは良くないんだけどね……。 でも、このままアイツがするする痩せていって、他の女と付き合ってしまうことを想像してみたら、なんだかそっちの方が不愉快な気がした。  さて。仕事しよ。
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