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風もない、ただただ広いその世界で、
彼女は何をしているのか。
「私ですか?私のお役目です。」
僕の表情を見てから
「本当はあなたをお話相手にして、ここで引き留めてしまっていることは良くないことなの。」
そう言いました。
さらに疑問だらけになった僕の表情を見てから、
「そろそろあなたともお別れです。きっと二度と会うことはないでしょうけれど。たまには思い出してくださいね。」
ほほえんでそう言った彼女の姿が最後。
目覚めると自室のベッドの中にいました。
あぁ、夢だったんだ、と納得すると共に、
なぜだか鮮明な彼女のすがたと、
あの世界の朱い空に妙な現実味を感じながら、
いつも通り、朝を迎えたのです。
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