月影太一

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 くっ、見えない。  丁度死角に入り、胸の丁度下、ほっそりした腰の辺りに、襦袢がダブついているのが見えるのみ。  私は潰れんばかりに壁に顔を押し付けた。  すると__  おおおおおぅっ!  女が少し後ろに下がり、こちらに真正面を向いた。その双丘には、理想どおりの色艶をした頂が。  神様ありがとう!!  思わず感涙に咽ぶ私。    嗚呼、  こんな事は初めてだ。喉の奥から熱い嗚咽が込み上げてくる、これは一体何なのだ。   「ハナヂですって」  だあ(ま)っとれ!  振り返り、みかるを黙らせようとした時だ。 「むうぅっ?!」  女が、終に腰ひもに手をかけた。  そ、そこは…  今の位置ならば見える。  見えてしまう。  キラキラと飾られたネイルの爪が、腰ひもを緩やかに解きはじめる。  もうすぐだ…  もうすぐで……  秘密の花園が、今、神秘の封印が解かれようとしている… 「ふ、フオオオオオッ!!」
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