§ 第1章  飛鳥川の淵瀬 §

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                アオの目覚め 「アオさん。 僕が見えますか?」 「ああ……」 「僕はギンと言います。 あなたが目覚めるまで守るように王に言われ、 ずっと傍におりました。 あなたが目覚めたということは、 いよいよ事が起こります。 僕は王からそう聞いております」 「どれくらい眠っていたのか?」 「分かりません。 僕が来た時は既に眠っておりました」 アオは眉間に拳を当て過去を思い出していた。 「俺は千年家の者に……。 そうか、 俺の魂は三つに分けられたはずだ。 一つは俺のために、 残りの二つは誰かのために。 どうやらその一つが戻ったようだ。 あと一つの魂がまだ別世界に残っている」 「アオさん。 そこで何があったのですか?」 「残念だが、 はっきりした記憶がない。 だが誰かを愛し守っていた……」
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