§ 第1章  飛鳥川の淵瀬 §

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                  巡り合い 「お待たせ!」 「ちょっと、 美鳥。 遅いわよ」 香澄と美桜は、 図書館の入り口にあるベンチに座って本を読んでいた。 ほんのりと桜の香りに包まれつつも、 花は優雅にそして華やかに咲いていた。 ひらりひらり花弁がゆっくり散っている。 「ねえ。 美鳥。 同じクラスになるといいわね。 では神社へ出発。 志望大学祈願よ!」香澄がリュックを肩に掛けると笑顔でそう言ったけれど、 「全く香澄は気が早いわね。 私達はこれから高校二年生よ」 クスクス笑いながら美桜もリュックを背負った。 「いいじゃない。 早くから祈願するに、 こしたことないわ。 美鳥、 そうよね」 「まあね。 でもそれだけじゃだめよ。 勉強しなきゃ」 「ああ、 やだやだ。 美鳥は母親みたい。 あははははっ……」 彼女達は小野田学園高校へ通う高校一年生。 同じクラスの親友同士。
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