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しばらくして、そっと腕を緩めて梨香子先輩の顔を覗き込んだ。
お互いの気持ちが分かると何だかいろいろ恥ずかしくて、二人で照れ笑いした。
「ごめんね。ブーケ投げつけて」
先輩がそっと頬に触れた。
さっきブーケが当たったところ。
「全然平気」
「せっかく取ってくれたのに」
間近にある先輩の顔。
甘そうな唇。
「先輩喜んでくれたから満足」
「バカ」
言葉とは反対の優しい声。
我慢できなくなって顔を寄せると、梨香子先輩も少しだけ背伸びをしてくれた。
その唇にそっと、
触れるだけのキスをする。
めちゃくちゃ柔らかな唇。
今はかわいいキスで我慢した。
唇を離して目が合うと余計に照れてしまって、もう一度触れてから抱き締めた。
さっきまで先輩と下僕みたいな関係だったのに、何だかいけないことしてるみたいでくすぐったい。
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