先輩が好きだから

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まんまるな月に照らされた道を、手を繋ぎ歩く。 泊まると決まった以上、さっきまでのだらしない“へへへ”笑いはイヤラシげなので我慢して飲み込んだ。 でも、今晩は清く過ごすんだ。 戸川っちよりもウルトラスーパーな仙人状態で。 梨香子先輩の繋いでない方の手は、さっきの騒ぎでさらに崩れたブーケを大切そうに抱えている。 あんなに崩れちゃって、ちょっと残念。 ごめんね、先輩。 でも先輩は嬉しそうで、歩く度に揺れる鈴蘭の花に時々顔を寄せていた。 「いい香りするよ」 見上げてくる先輩に笑いかける。 先輩がそのブーケに願いを込めてくれた相手は、相原君だと思っていいのかな。
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