2126人が本棚に入れています
本棚に追加
微妙な間合いの後、また相原がどこか焦ったように喋り始めた。
「でもよかったぁー。嫌味エリートの部屋着とか出てこなくて」
「……嫌味エリート?」
「あっ……」
後ろから動揺が伝わってきた。
「あの…先輩の彼氏。こっそりそう呼んでました。すみません」
「見たことあるんだ……」
恥ずかしくなった。
諦めるために遍歴を重ねるなんて。
相原を好きなまま、まっさらでいればよかった。
こんな私だから、触れてくれないの?
「彼っていうか……相原を諦めたくて、いろんな人と会ってたの。バカだったね、私」
「諦めるって何で?俺の方が全く相手にされてないと思ってた」
「だって相原、ずっと昔から成瀬さんのファンだったじゃん。私はタイプじゃないなって思ってた」
ちっさい私には彼女みたいな長身スタイルが羨ましかった。
「梨香子先輩、すごく綺麗で大人っぽいのに小さいとこ可愛いよ」
最初のコメントを投稿しよう!