2126人が本棚に入れています
本棚に追加
相原が優しいから、何だか気弱になって、洗いざらい全部打ち明けたくなった。
本当は相原のこと、気持ちだけはずっと純粋に好きだったんだよ。
「私ね。バレンタイン、本当は相原に豪華なの用意してたんだ。告白しようって思って」
布団の上から相原がぎゅっと私を抱き締めた。
「だけど、成瀬さんと仲良く喋ってるの見て、なんかいじけちゃって。渡せなくなった」
「成瀬ちゃんはね。戸川とのこと前から知ってたから、くっついて欲しくてずっと応援してたんだよ」
「うん……」
「ごめんね先輩。全然知らなかった。売店チョコ、本当に嬉しかったよ。勿体なくて、しばらく大事にとってたぐらい」
顔が見たいよ。
もっと近づきたいよ。
「相原……そっち向きたい」
「え」
少し躊躇した後、相原が腕を緩めてくれた。
なのに、もぞもぞと回転して向き合うと、相原は決まり悪そうに目を逸らした。
最初のコメントを投稿しよう!