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「先輩!何ですか今の爆発音」
「慌てんな親龍を引き付ける罠だよ、今のうちに幼龍を捕らえるぞ」
先輩の掛け声に従って幼龍捕獲へと向かう。
「後輩〈煙玉〉!」
その名の通りに煙を生み出す〈煙玉〉を幼龍達に投げる。煙が上がり幼龍達の視界を塞ぐと先輩は、1頭の幼龍に狙いを定めて鳴かないように縄で口と手足を素早く縛る。
「先輩、〈魔封じの枷〉です」
「サンキュ、親龍が来る前にずらかるぞ」
「はい」
罠だと親龍は直ぐに気づくだろう。人間の子供ほどある幼龍を抱えワイバーンを待機させてある場所に急ぐ。
ワイバーンは翼竜と呼ばれるドラゴンだ。ドラゴンと龍は似ているが違う、ドラゴンはトカゲから進化したと言われているが龍は創世記の時代から生きている。
「急げ!親龍が来てる」
子供を奪われ怒った親龍が後ろか迫って来ている。
「先輩!ワイバーンを待機させてある崖です!」
崖から飛び降り2機のワイバーンに其々飛び乗り離陸。
「クルオォーーーン!」
「くっ!龍は速いワイバーンを蛇行させて距離を離せ!」
どう見てもワイバーンより龍の方が速い為、ワイバーンをジグザグに飛ばす。
「先輩!騎士団ですよ!」
親龍から逃げ、何とか捕まらずに飛び続けた。すると目の前にワイバーンに乗った騎士団が現れた。
「バカ野郎!ありゃ共和国の騎士団だ!捕まったら終わりだ!」
ドラゴンハンターも龍狩りも帝国、神国以外は違法、見つかれば只では済まない。
「其処のワイバーン止まれ!お前達ドラゴンハンターだな!幼龍を親龍に返せ!」
二十歳位の若い騎士団員が僕達のワイバーンに音爆弾を投げた。高い音を嫌うワイバーンは頭を振りながら地面に降り立つ。
「ちくしょう!騎士団の連中め!」
「先輩諦めましょう、この辺りではドラゴンハンターは違法ですし」
「くそっ!」
僕達は幼龍を置き去りにして騎士団から逃げることを優先させる、騎士団は怒り狂う親龍のせいで動けないため、このチャンスを逃すと逃げられない。
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