10人が本棚に入れています
本棚に追加
あんなに怒り狂う龍は初めて見る、気の荒い龍でも森を出ても追いかける事は無い。
「まさかあのドラゴンハンター、幼龍を捕まえたんじゃ......」
取り敢えず確かめなければ何も出来ない、ドラゴンハンターを止めるべく警告を発する。
「お前達、ドラゴンハンターだな!幼龍を親龍に返せ!」
ドラゴンハンターのワイバーンに音爆弾を投げつける 。ドラゴンハンターは無理だと悟ったのか、幼龍を置き去りにワイバーンを即座に飛ばし逃げる。
「追わないので?」
「先に親龍だ......あぁやはり幼龍だ」
「此が龍....俺初めて見ましたよ」
「当然だ、幼龍は成龍に守られ滅多に見れない.....まだ〈魔封じの枷〉を外すなよ」
縄を外し〈魔封じの枷〉を着けたまま親龍が降りてくるのを待つ。
「危険です!」
「今枷を外すと幼龍が暴れる、親龍に返す時に枷を外すんだ」
不安そうに親龍と俺を見比べる幼龍に優しく微笑む。
「悪かったな人間のせいで、今親元に返すからな。他の隊員は龍を刺激しないように下がっていろ」
「副隊長!」
強い風が吹きドラゴンよりも一回り以上大きな体が目の前に着陸した。
龍は蒼銀の鱗を日の光に反射させて二対四枚の翼を畳んだ。
「龍よ済まない、今子供を返す」
此方を睨む龍に幼龍の〈魔封じの枷〉を外す。幼龍は喜んで親龍の元へと走る。
「キュウゥーーー!」
「クゥゥーー」
駆け寄った幼龍は親龍に顔を刷り寄せ甘える。親龍は幼龍を宥める様に優しく鼻先で撫でる。
「クオォーーーン!」
一声鳴いた龍は幼龍をくわえて空へと帰った。
「俺達も国に帰るぞ!」
「「「はい!」」」
最初のコメントを投稿しよう!