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赤花の揺れる場所
照り付ける太陽、潮風が髪の毛を滅茶苦茶に弄る。
亡くなったおばぁの何回忌?だとかで、家族皆で墓参り。
折角の晴天、折角の休日がつまらない。
来年からは私だけが沖縄を出て、本土の高校へ通う。
叔母の住む東京で暮らすのだ。
進路の上での問題は沖縄に住む上では度々起こる事。珍しくも無い。
田舎臭いこの島から出られて清々する!
東京に住んだらいっぱい遊ぶんだ~!
最近の私は弟に夢を話しては満足している。
そんな弟の逆襲は「合格したらね!」
可愛く無い
今日も私の後ろからダラダラとお墓掃除の道具を持って、付いてくる。
ハイビスカスの賑やかに咲くお墓が、おばぁが眠る我が一族のお墓。
ちょうど暑さもピークの最中に、ふと見たら弟の蜻蛉がフラフラと……ヨロヨロと……
倒れた事から私の奇妙な物語は始まるのだった。
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