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しかし硬直している場合ではない。
「りかこぉー!」
早く叫ぶのをやめさせなければ、土曜の朝っぱらから近所迷惑きわまりない。
「美香先輩、開けますから頼むから静かに……のわっ」
鍵を外すや否や凄まじい勢いで勝手にドアが開き、相原君は前につんのめった。
「ちょ相原どいて!」
ドゴン!
奥へと突進する美香先輩に突き飛ばされ、壁で頭を強打した。
「りかこぉー!これ見てー!」
「わぁ、美香!どうしたの?」
頭を抱えてしばし悶絶した後、目の前をチカチカ回るお星様と共にヨタヨタと美香先輩の後を追う。
リビングではまだ寝巻き姿の梨香ちゃんが何やら小さなものを覗きこんでいた。
「ね?出てる?出てるよね?」
「うん。出てる。はっきり出てるよ!」
「あっ!濃くなってる!ここまで走って来る間に濃くなってる!」
「間違いないよ、美香」
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