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最近、中野先輩は結婚を考えていた彼女と破局して(というよりたぶん捨てられて)どん底にいる。
そして夜な夜な飲み歩く。
しかも最悪、泣いてクダ巻く絡み酒。
絶対に付き合いたくない。
「相原も戸川も、新婚はいいよなぁ」
「あは……は……」
この苦境をよそに、耳元では戸川っちが叫んでいる。
『おーい相原!もう用済んだから切るぞ!じゃあなー』
「あっ、待って戸川っ……ち」
ツーツーいう受話器を握り締める相原君に、斜め前から恐怖のお誘いが。
「仕事終わったら一杯付き合え」
「えっ」
もう梨香ちゃんはとっくに退社して、今頃キッチンで頑張ってくれてるはずだ。
「でもっ、今日ご飯いらないって連絡してないから、だからあの」
「……」
中野先輩のジト目に耐えきれず、相原君の口が喋り出す。
「だからその梨香ちゃん……じゃなくて相原先輩に怒られ……、あいや何でもないですお供しますですハイ」
チーン……。
嗚呼、相原君のグズ。
おピンクな湯タンポ計画が。
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