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ボクの名前は相原智紀。
本当はパパと同じ字をもらうはずだったんだけど、おばあちゃんが「パパみたいになったら大変だから」って反対して、「かしこい字」にしたらしい。
「ボク、パパみたいになりたいんだけどなぁ」
ボクのパパは世界一かっこいい。
でも、この前それを言ったら美鈴ちゃんに笑われた。
後藤美鈴ちゃんは赤ちゃんの時からずっと一緒にいるお友達。
ボクんちのすぐ近所に住んでて、美香ママはボクを見るといっつも「相原のミニチュアだわね」と笑うんだ。
「智くん、おはよ!」
今朝は保育園に一番乗りだったからブロックを独り占めしていると、美鈴ちゃんがやってきた。
「おはよー。美鈴ちゃんも一緒にブロックしようよ」
「やだ。やらない」
「えーなんで?」
美鈴ちゃんにあげようと思って、美鈴ちゃんが好きなお花のブロック取ってたのに。
「アタシ、今日から幼稚な遊びはやめていい女になるの」
「いいおんなって何?」
「コドモにはわかんないわよ」
美鈴ちゃんはきれいなスカートをふわりとさせてボクの隣に座った。
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