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美鈴ちゃんのスカート、フワフワしてて、ちょうちょみたいだ。
さわってみたくてモジモジする。
「なんでいいおんなになるの?」
美鈴ちゃんはこのままがいい。
いっつもボクのことバカにするけど、たまに優しいんだ。
ご飯の時にソーセージくれるし、この間ボクが怒られて泣いた時は鼻水を拭いてくれた。
「今日、新しい男の子くるの、知ってる?」
「うん」
ママのお友達が「がいこく」から「いちじきこく」で帰ってくるから、一ヶ月だけ保育園に仲間入りする、って。
「超イケメンなんだって。ママが言ってた」
「ちょういけめんって何?」
「智くんって、なーんにも知らないんだから」
そう言って、美鈴ちゃんは髪につけた飾りをちょこっと直した。
今日はいつもより大きな飾りだ。
「イケメンはね、ちょうカッコいいってことよ」
「ふーん」
「だからいいおんなになって、仲良しになるの」
もうボクと遊んでくれないの?
要らないって言われたら悲しいから、黙ってお花のブロックをそっと美鈴ちゃんの近くに置くと、美鈴ちゃんはそれでお花畑を作り始めた。
うれしくなって、箱からお花と緑のブロックを探してどんどん置いた。
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