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大河は折れ曲がった白い紙と私をチラチラと交互に見た。その目は早く紙を開いてみれと言わんばかりだ。
渋々、私はその紙を開いてみた。
紙には下記のことが、事務的に書いてあった。
ーー辞令ーー
下記の通り1月1日付けを以て移動とする。
そう書かれた下に表があり、対象の人の名前と現在の配属と新たな配属先が書いてあった。数人の名前の中に大河の名前もあった。
「へえー、東京。これって栄転って、言うんじゃないですか?おめでとうございます」
私は特段驚きもせず、そう言った。
しかし大河はその私の様子に慌てていた。
「いや、いや、いや、おかしいでしょう。マナちゃん。何でおめでとうなの?東京だよ。東京!何とも思わないの?」
そう言われても何と思えばいいんだ?
私は大河の話が分かってスッキリしていた。私が思う東京……
「東京……ん……東京ねぇ。修学旅行で行った羽田空港で芸能人を見たかなぁ」
私がそう言った瞬間、大河は若干キレかかり気味で立ち上がった。
「そうじゃないだろう。これからどうするんだよ……って、話だろう」
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