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どうすると言われても……
とっさに言葉が出ずに、上から見下ろすように私を見ている大河に少々威圧感を覚えながら考えていた。
真っ先に思ったことは、私達はまだ付き合って1ヵ月しか経っていないというあまりにも短い時間のことだった。離れて過ごしてお互いに嫌な思いをする前にここで別れた方が良いように思った。
「向こうでも頑張って下さいね。今までありがとうございました。楽しかったです」
上目遣いで微笑むように、穏やかに、はにかむように、言葉は優しく、しかし裏の意味は誰が聞いても別れ話だと分かるように言った。
そしてコートを着たままの私は罰ゲーム並みの冷たいコーヒーを捨てようと、キッチンに行こうと立ち上がった。
その瞬間、大河は慌てて私に怒鳴るように言った。
「待てよ。違うって!僕、別れる気なんてないよ」
「別れる気がなくても、東京に行くんでしょう」
「東京に行っても別れる必要ないじゃないか。遠距離恋愛でいいじゃん」
「いやぁー。いつ別れるの?今でしょ、って」
「微妙に言葉を変えるなよ。あー、嫌、そうじゃない。じゃ、僕と別れてどうするんだよ。元彼と縒りを戻す気?」
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