第2章 むすんだ約束

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第2章 むすんだ約束

ピピピピッピピピピッピピピピッピピピピッピピッ、、、 ガシャンッ 「んん、ぅ、、、」 けたたましいアラームの息を止め、 カーテンの向こうの太陽を拝むために、 窓際を左手がもがく。 すっきりしない頭を、なんとか布団から引き剥がしても、 暫くはこの曖昧模糊とした感覚に浸らなければならないのはいつものことだ。 「........ねむ.....」 清々しくあってほしい1日の始まりも、 最近は滅多に訪れない..... 今日みたいに。 「・・・・はぁぁ・・・」 盛大なため息ひとつ。 魂ぬけでそう。 またあの夢。 大学に入ってからというもの、 それを見る頻度は増すばかりだから困る。 ほんと、 何回めだまったく。 内容を思い出そうとすればするほど、よく分からなくなるから、 暫くまえにその作業は止めたけれど、 誰が自分の名前を呼ぶのか、 それはどうしても思い出せない。 もどかしい。 でも、 懐かしくて、安心する声 なんだよな....ぁ 「.......ふぁぁ....」 床に散乱したスリッパをつっかける。 4月といえど、フローリングはまだ冷たい。
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