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「いやー、良い天気だね」
軽く伸びをしながら嬉しそうに言う遥先輩。
「そうですね」
太陽の光が照りつけており、空は雲一つ無いような晴天だ。
この時間帯に登校する人は結構いるようで、他にもちらほら人が見える。
ただ、男子寮は女子寮とは学園を挟んで反対方向にあるので、まだ女子の姿は見えない。
「悠一くーん!」
そう叫びながら、後ろから恋が突進してくる。
それが僕に衝突する前に躱す。
すると、恋はその勢いのまま前に飛び出し、そのまま倒立前転をした。
よくあの体勢から出来たな。
「むぅ、避けへんでよー!」
ズレた眼鏡を直しながら口をとがらせて言う恋。
「いや、猛スピードで後ろから突っこんできたら、普通避けるから」
僕がそう言うと、まぁ、それもそうやねと言いながら服に付いた埃を払う。
「今日も元気だね-、恋君」
苦笑いしながら言う遥先輩。
遥先輩と恋は同じ演劇部所属で、仲が良いらしい。
「おおきに~♪」
そして、恋も交えて雑談しながら学校へ向かっていく。
「そういば恋、ルームメイトの人は如何したの?」
「風紀委員の仕事があるから、先に行くって。もう学校に着いて仕事しとると思うで」
「ああ、そういば、恋君ってお兄さんとルームメイトなんだっけ。この学園、相当人数いるのに、兄弟でルームメイトになるって、凄いなぁ」
確かにそうだよな。
この学園、確か高等部で1000人はいたはず。
そんなことを話している内に、校舎に着いた。
2年生と1年生の教室は階が違うので、遥先輩とはここで別れる事になる。
僕たちと別れた後、遥先輩はあっという間に女子に囲まれていた。
「遥先輩、モテモテやね」
「そうだねー」
そして僕達も自分たちの教室へ向かった。
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