6人が本棚に入れています
本棚に追加
「アイテムの生産能力はあるでしょう。」
僧侶は狩人を必死で庇う。
「ドロップ品は大したことねぇだろ。
生命線には遠いんだよ。」
序盤は、まだまだモンスターから採取出来るアイテムが期待出来ない。
生産スキルすら、現地調達の利点とコスト節約以外はクズだ。
「あたしも彼女に賛成。
だいたい、前衛は装備に金をかけすぎなんだよ!」
次のリストラ相手は探索以外の能力が低い盗賊だ。
彼に分け前を取られるのはシャクだが、次は後がないので人の壁にする。
「だいたい、魔法使いと僧侶スキルが分かれているってどうなのよ。
同じ魔法職だからひとつにまとめるべきでしょ…MP切れると荷物にしかならないし!
戦力補給のためのMP回復アイテムはバカ高いし!」
リストラの危機は、魔法使いにまで飛び火する。
「魔法でしか戦えないモンスターもいるだろ!
それに、回復と平行するには難しい…タイミングが必要なんだから!」
「んなこと頭が切れるんだから自分で判断しろや!」
敵の攻撃、受けるダメージ。
あと、どれぐらい耐えきれるのか。
攻撃と回復のバランスってうまく測るのは難しいんだ…特に極度の興奮及び緊張状態である戦闘中には。
攻撃と回復をいっぺんに行うとMPの消費も激しい。
盾代わりの大怪我をした味方を前にMP切れとか危ないから。
ともかくも、円満に解決せねば後が怖い。
「みんな、いい加減にしろ!
争っても仕方ないだろ!」
リストラ寸前の狩人が止めた。
「そんなの、次の依頼前に決めれば良いだろ!
ある程度の予想ぐらい立てられなくてどうする!」
語気強く一喝する狩人。
場が静まり返る…マスターは荒事に慣れているからか無表情であったが。
最初のコメントを投稿しよう!