第1章

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「アイテムの生産能力はあるでしょう。」 僧侶は狩人を必死で庇う。 「ドロップ品は大したことねぇだろ。 生命線には遠いんだよ。」 序盤は、まだまだモンスターから採取出来るアイテムが期待出来ない。 生産スキルすら、現地調達の利点とコスト節約以外はクズだ。 「あたしも彼女に賛成。 だいたい、前衛は装備に金をかけすぎなんだよ!」 次のリストラ相手は探索以外の能力が低い盗賊だ。 彼に分け前を取られるのはシャクだが、次は後がないので人の壁にする。 「だいたい、魔法使いと僧侶スキルが分かれているってどうなのよ。 同じ魔法職だからひとつにまとめるべきでしょ…MP切れると荷物にしかならないし! 戦力補給のためのMP回復アイテムはバカ高いし!」 リストラの危機は、魔法使いにまで飛び火する。 「魔法でしか戦えないモンスターもいるだろ! それに、回復と平行するには難しい…タイミングが必要なんだから!」 「んなこと頭が切れるんだから自分で判断しろや!」 敵の攻撃、受けるダメージ。 あと、どれぐらい耐えきれるのか。 攻撃と回復のバランスってうまく測るのは難しいんだ…特に極度の興奮及び緊張状態である戦闘中には。 攻撃と回復をいっぺんに行うとMPの消費も激しい。 盾代わりの大怪我をした味方を前にMP切れとか危ないから。 ともかくも、円満に解決せねば後が怖い。 「みんな、いい加減にしろ! 争っても仕方ないだろ!」 リストラ寸前の狩人が止めた。 「そんなの、次の依頼前に決めれば良いだろ! ある程度の予想ぐらい立てられなくてどうする!」 語気強く一喝する狩人。 場が静まり返る…マスターは荒事に慣れているからか無表情であったが。
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