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狩人の熱意が通じたかは分からない。
場は静まり返り…あっけに取られた仲間たちはぼそり、と呟いた。
「確かに新しい仲間が信用出来る奴という保証は無いね。
後ろからバッサリやられる可能性がある。」
「そこまでいかなくても、戦いかたでいちいち組み直すのは面倒だな。」
盗賊も魔法使いも、新たな環境の変化が死に繋がる可能性もありうる冒険者という職業には警戒心が働いた。
「じゃあ、俺が盾になるから今回は装備品は俺が買うことでいいか?」
戦士は未練がましいが。
「背後さえ取られなかったらお前一人だけでも問題無いのだがな。」
魔法使いは悪態をついた。
「後ろががら空きなんだよ、うちのパーティーの陣形。」
戦略上、不意討ちにやたら弱いところはフラストレーション溜まりっぱなし。
「早くレベル上がらないかな。
レベルが高ければ、戦力強化の効率上げられるのに。
魔法の武器や防具はやたら高いが、いろんな効果がついていて戦いに使えるからな。」
「ちょっと無茶する?
彼を盾にして少し少し先まで冒険するとか。」
僧侶と狩人が事態打開の計画を立て始める。
「てか、生活費に困ってんのにひとつ上のレベルのダンジョン潜るってどうなんだ?」
強行突破かよ…これだからお花畑は。
僧侶における人間的価値が、2下がった!
しかし、パーティーは分裂の危機は免れたようだ。
何だかんだいって彼らは次の冒険の話を始めている。
騒ぎが収まったらしく、酒場のマスターが彼らに話しかけてきた。
「お前たち、うまい儲け話があるんだが…どうだい?」
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