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敵を撃退したと連絡をうけレーベンも祖霊の森に姿をみせる。 アレンと将軍達は勝ち戦の余韻に浸っている様だがひとみだけが何処かボンヤリしている様に見える。 「ひとみ様どこか具合でも?」 レーベンは声をかける。 「えっ、ああレーベンさん私様子がおかしいですか? 敵を撃退した実感はあるんですけど、ここまでうまくいったのに感覚が追い付いていかなくて」 ひとみは何処か遠い眼差しでレーベンに笑顔を向けた。 「何をおっしゃるんですか全て計画したのはひとみ様ではないですか、想いの力が働いているのですよもっと誇ってください」 レーベンはボンヤリしているひとみを激励する。 「そっ、そうですか・・・ そうかもしれないですね、でも私の想いの力でまた人が死にました。 手放しで喜べませんわ」 ひとみはボンヤリの原因が分かりやっと周りの状態を把握する。 「ひとみ、やっと正気に戻ったか? ひとみの言う通りだったね、想いの力はあるのだね。 アルセイデスを4機も失い大打撃を与える事ができファーネリアへの脅威はほぼなくなったよ」 アレンが話しかけてきた。 「そうですか、バァンの代わりになったわけですね。 やっと吹っ切れました」 ━━そうだ私はバァンの為に想いの力を使ったんだ━━ ひとみはやっと喜びにうち震えた。 喜びで涙を流す。 そのひとみをアレンがそっと肩を抱く。 「ひとみー!やったね」 そこへゆかりが現れた。ひとみはその声を聞くとゆかりに抱きつく。 「ゆかり、やったよ!バァンの代わりをやり遂げたよ!」 「うんうん、ひとみは良くやったよ」 ゆかりも涙声で答える。 そこへ、レーベン共に来ていたユーベルトが二人に近づいて来た。 「ひとみ様、これより戦勝会を執り行います。 是非とも参加していただけますでしょうか?」 ゆかりはひとみから離れる。 「宰相閣下、戦勝会よろこんで参加させて頂きます」 ひとみは快諾する。 「ありがたい御言葉、感謝いたします」 ユーベルトが破顔する。 「ひとみ様今夜のは正式なものではありません、無礼講ですので気楽にお過ごしください。 正式な戦勝会は後日行います。 ゆかり殿もどうぞ」 ユーベルトが城の広場に向かうように言うと将軍達の所へ向かう。 アレンが近づいて来た。 「ひとみは酒は飲めるかい?」 「たしなむ程度です」 ひとみが言う。 「そんな事ないですよ。 ひとみはザルですよ」 するとその横からゆかりがまぜっかえす。 「それは楽しみだ、大いに飲もう」 アレンが笑いながら言う。 「じゃあ二人供、行こうか」 アレンが二人をエスコートする。
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