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ここは、ファーネリア王城の会議室。
20人は集まる事ができる長テーブルが有る。
上座の方に6人程が席に着き王の来るのを待っている。
「バァン様にも困ったもの」
一番上座の向かって右側に座る60歳代の宰相のユーベルトがこぼす。
「何を、王たる者が臣民の先頭に立たずして国が建たぬわ。」
その言葉に、向かいの赤の侍大将ヨーグが答える。
この2人何かと意見が別れる事が多い。
文官と侍の対立は、何処の国も多かれ少なかれ有ることだった。
ユーベルトがヨーグに言い募ろとした時。
入口が大きく開け放たれる。
「バァン陛下、ご入場!」
シュリを伴いバァンが、会議室に入って来た。
「待たせた!済まぬ。」
バァンは、足早に玉座の前に立つ。
「楽にしてくれ。」
バァンは時を置かず着席した。
バァンが着席すると、直立していた6人が各々着席する。
「では、会議の方を始めまする。宜しいか?」
ユーベルトが立ち上がり話をする。
「応っ!」
それを聞いて、バァンと他の5人が同意した。
会議はユーベルトが復興の進捗状況について報告をおこなった。
市街はほぼ復旧がなされたと報告した。
ヨーグからは、メルフも各騎士団の定数に整ったと報告した。
バァンは報告を黙って聞いていた。
「ロンデルの件はどうだ?」
報告が一段落した所で、バァンは本題を口にした。
「ロンデルの招請、お請けに成られるのが宜しいかと。」
序列で2番目の左側の席にいる、外交を司るレーベンが発言する。
「であるか、もうこれ以上引き伸ばす事も出来ないな。」
「はい、陛下言い訳が御座いません。」
バァンの言葉に、レーベンが答える。
「であるか、ロンデルに向かうとして日程はどのようになる、レーベン?」
「そうですね、ロンデルまで3日、公式の日程に4日、予備日が2日の6日間に帰路が3日の12日間となります。」
「うむ。出立の用意にどの位でできる。」
「2日もあれば、出立できます。」
もう、準備を始めていたであろうレーベンが即答した。
「では、2日後に出立する方向で用意をする様にしてくれ。ロンデルの使者にもその旨伝える様に取り計らう。」
バァンが決裁する。
「御意」
ユーベルト以下、5人が頭を垂れた。
「それでは、明日より準備に入ると致します。
では、此れにて散会といたします。」
ユーベルト宰相が会議の終了を告げた。
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