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第1章 骨董屋
サファイアの鱗、アクアマリンの瞳、ドレープを描く長い尾ビレ。
空を泳ぐ魚、浮遊魚。その体は3メートルをゆうに超える。
不思議で、それでいてとても優雅で美しいその魚はずっと憧れだった。
16になり浮遊魚捕獲の旅に出たおれは、あえなく、とういうか当然のように失敗し
大怪我を負った。
浮遊魚の研究者で唯一谷に住んでいるブルーニ博士に助けられ、
怪我が治るまでのひと冬、そこで過ごした。
で、ようやく春になり帰って村へ帰るため旅立ったわけだけど、
なぜか谷にいる間に仲良くなった浮遊魚の子、ファムが着いて来てくれた。
捕獲しようとして大怪我を負わせてしまったというのに、
ファムはおれのために博士を呼んでくれた優しい子だった。
ファムとの間には、なんというか一戦交えた良きライバル的なつながりが生まれていた。
でもまさか仲間のいる谷を捨てて着いて来てくれるとは思ってもいなかった。
ファムに強引に背中に乗せられ、たった5時間で谷のあるハルバート山から、
ふもとのローフィルという町のそばまで着いた。
ファムには好きにしてもらい、城壁で囲まれた町へ1人で入でった。
ちょうど昼飯が終わったぐらいの時間で、通りは賑わっていた。
浮遊魚のウロコの入手経路を調べる約束を博士としているため、
それを手に入れた雑貨屋に向かった。
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